恵那山の麓、中津川には「落合宿」と「中津川宿」の2つの中山道の宿場があります。京から江戸へ向かう旅人には木曽路への入り口として、また江戸から京へ向かう旅人は厳しい山道を越え、ほっと一息つく宿場として、古の旅人に親しまれた宿場です。
 これから「恵那山ねっと」で、ぶらりとお散歩感覚で観光できる「中山道お散歩ガイド」をお届けします。
不定期になりますが、お楽しみに・・・・。
今回のお散歩マップ     (茶屋坂高札場〜前田館〜ウエストンココア[喫茶たなか])
お姫さまが通った中山道
中山道の別名を「姫街道」といいます。皇女和宮の将軍家へのお輿入れの時に、この姫街道を通ったことは有名ですが、ほかにも多くのお姫さまがお嫁入りの時に通ったことに由来します。大名行列など往来が多かった東海道に比べ、中山道は裏街道。 交通量が少なく大きな川越えがないため、滞ることを嫌う婚礼の通行に使われました。また、「馬籠(孫目)」「上松(あげまつ)」などの縁起のよい地名があることも、婚礼の道に使われた理由のひとつのようです。






スタートは茶屋坂・高札場
 茶屋坂は、中津川宿の東の入り口。つづら折りの急な坂道の下には、高札場が復元されています。高札とは、法度や掟書などを板に書き掲げた掲示板のこと。当時は、新町から見えるほどの大きな松があったと言います。
 高札場を通り過ぎ、ゆるゆると坂を下ってくると、交差点の角に歴史を感じさせる店構え。栗きんとんで有名な和菓子の老舗「すや」です。栗きんとんは2月いっぱいで終了してしまいますが、通年販売される栗羊羹や、8月までの栗きんつばのほか、ここに来なければ買えない幻のお菓子も・・・。

すやの創業は元禄年間
(すやHP http://www.suya-honke.co.jp/






小さな石碑に、日本画壇の巨匠の名が・・・。
 「すや」から中山道を挟んだ向こう側に、小さな石碑があります。

前田青邨画伯(苗木城跡にて)
ここは日本画壇の巨匠 前田青邨画伯の生誕の地。画伯の生家はヤマツ前田商店(現ヤマツ食品株式会社)は移転し、今では中山道の街道筋から離れています。
 ヤマツ食品(株)の2階「前田館」では、前田家所蔵の作品や手紙などを展示しています。青邨画伯の新しい魅力を感じることができます。


今の時期は菊牛蒡漬けがおいしい
(ヤマツHP http://www.takenet.or.jp/~yamatsu/




ここでちょっと・・・



↑この路地を入って行きます

桂小五郎が隠れていた
旅館「やけ山」跡→
「逃げの小五郎」桂小五郎の隠れ家
 「逃げの小五郎」の異名を持つ桂小五郎は、とにかく逃げたり隠れるのがうまかったと言います。ここ中津川宿でも幕末の動乱の中、桂小五郎が隠れていました。

旅の安全を祈って
 四ツ目川の手前に、中山道の街並を再現したミニ公園「往来庭」があります。 突き当たり、土蔵作りのトイレの前に立つと・・・


レトロな建物
 かつての商工会議所。レトロなカンジがとてもおしゃれな建物です。





そろそろひと休みしませんか?
 ウェストンココアをご存知ですか?「日本アルプスの父」ウォルター ウェストンが、恵那山の山頂でココアを飲んだことにちなみ、中津川の新名物になっているココアです。
 「往来庭」のすぐ隣にあるスパゲッティーとクレープのお店「喫茶たなか」でひと休み。「おいしいココアの入れ方」を見ながら、ウェストンの気分になってココアをいただきました。
 日本の山々をこよなく愛したウェストンが中津川の町を訪れたのは、明治26年のこと。彼の著書の中に、「恵那山頂に到着し、ココアを飲みながら風景を楽しんでいるとあっと言う間に3時間ほど過ぎてしまった・・・。」とあります。ココアには時間も気持ちもゆったりさせる効果があるのかも知れませんね。
(ウェストンココアHP http://www.takenet.or.jp/~n-kanko/westoncocoa/index.html

 「喫茶たなか」さんは、中津川市内で2カ所ある「フリースポット」のひとつ。無線LANでインターネットでアクセスすることができます。歴史を育み、情報を運んだ中山道に面した喫茶店は、今の時代も情報中継点になっています。
(フリースポットHP http://www.freespot.net/

 ぶらりとお散歩感覚ででかけた中津川宿。人と時間が作り上げた歴史のはしっこを見ることができたような気がします。
続きはまたいつか・・・。

(取材協力:ヤマツ食品株式会社、喫茶たなか)