古くから、栗の産地として名高かった中津川。良質の栗を使った栗菓子は、今や全国的に有名になリました。
 人気の栗きんとんは季節限定商品にしている店が多く、栗きんとんを通年買える店はごくわずか・・・。でもそこは栗菓子の里中津川。栗菓子の種類はとても豊富です。そして、和菓子処ならではのお菓子がたくさんあります。
tel:0573-65-2078/66-2636 fax:0573-65-6628
url:http://www.suya-honke.co.jp mail:info@suya-honke.co.jp


栗きんとん本家のすやのモットーは「栗は栗の味で」。妥協を許さない老舗の味を守り続けています。

●栗きんつば

 甘味を押さえた蜜漬けの栗が、ごろごろと入っている「栗きんつば」。北海道産の小豆で作った餡が、栗の味を引き立てます。
 きんつばは、見た目はとても地味なお菓子ですが、実はとても繊細なお菓子。水で溶いた小麦粉を表面につけ、ひとつひとつ手焼きします。きれいな網目状になるように焼き上げるよう、その日の気温や湿度によって水加減を変えるのだそうです。衣が厚すぎても薄すぎても、もっちり感が変わってしまいます。美しい編み目に焼けるようになって一人前。焼けるよになるまでは、試行錯誤の繰り返しだそうです。


全て同じ大きさに切り分ける職人技

美しい編み目になるよう焼き上げます。

ふちは仕上げに切り落とします。
● 朴葉まき

 美濃から飛騨にかけて、料理に「朴葉」がよく使われます。と言っても、食べるわけではなく、料理を朴葉で包んだり、食材をのせて炭火で焼いたり・・・。これは料理に朴葉の香りをつけるのはもちろんのこと、朴葉に殺菌効果があるためです。
 もちろんお菓子にも朴葉を使ったものがあります。丁寧に包まれた朴葉を解くと、甘味を押さえた道明寺で餡を包んだ小ぶりのお饅頭が顔を出します。
 「朴葉まき」は、すべて手作りのため大量生産ができず、すや本店、すや西木、松坂屋本店直営店のみの販売となっています。


↑創業以来の店舗。

ご希望の方は囲炉裏端でおまんじゅうがいただけます。→



tel:0573-65-2072 fax:0573-66-7634
url:http://www.kawakamiya.co.jp mail:info@kawakamiya.co.jp


 創業元治元年、中山道・中津川宿の枡形にある川上屋。すやと並び、全国に多くのファンがいる中津川の和菓子処です。

●さゝめさゝ栗

 川上屋と言えば「さゝめさゝ栗」といわれるほど、1年間通して人気の高い商品です。栗きんとんを芯に外側を蒸し羊羹でくるみ、さらに竹皮で包んだ中津川らしい銘菓。ほっこりとした栗の餡と羊羹のやわらかな風味が楽しめます。
 竹皮で包む作業はすべて手作業。棒状になったさゝめさゝ栗を、1本1本丁寧に包んでいきます。包み方は強すぎず弱すぎず。両端は竹皮を裂いたひもでしっかりと縛り、殺菌のために蒸し上げます。包み方や縛り方が悪いと形が崩れたり、殺菌効果がなくなるため、誰が包んでも同じ形、同じ強さで包んでいくのだそうです。


手早くきっちり包んでいきます


竹皮は1日に1,000枚使います。
● 冷菓木曽路の四季

 和菓子ファンの間では、「和生菓子の甘さは干し柿を持って最上とする」という言葉があるとか・・・。柿は、他の果物と違って酸味が少なく、干すとさらに甘味が増してきます。また、干し柿こそ、羊羹の原形だったのでは?と言う説もあるとか。干し柿と和菓子は切っても切り離せない関係にあるようです。
 その干し柿を、夏向けにアレンジしたものが「冷菓木曽路の四季」です。チーズを干し柿で包み、葛饅頭のように仕上げた、見た目にも涼し気なお菓子。干し柿は市田柿の最高級品。和洋折衷の新しい感覚が楽しめます。

 冷菓木曽路の四季の販売期間に関しましては川上屋へお問い合わせください。


店内には工芸菓子が・・・

(取材協力:すや、川上屋)