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しめじ
地面を占領する様に生えるので、“占地”の字を当てる。松茸が茸の王様なら、しめじは女王様である。「匂い松茸 味しめじ」の諺通り、この種類のほとんどが、極上の美味である。従って調理には折角の素材を大切に生かす様に単純な料理がよい。例へば塩焼とか、出しを一切使用せず、しめじだけを多量に入れ、塩だけで味を整える吸物の“うしお”は贅沢三味の料理である。
今栽培しめじとして市販されてゐるのは、実は「ヒラタケ」であるが、最近の新聞に依ると、飛騨高山の林業試験場で、困難とされてきた本しめじの栽培が、試験官内ではあるが成功したと報告されてゐた。
近い将来が楽しみである。
しめじのうしお
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