毒きのこ岐阜県は、地理的な特性としてキノコの生育に適した山林と気象条件に恵まれ、毎年9月から10月にかけて、多種多様な野生のキノコが生育します。また、アウトドア志向などを背景として、キノコについての知識を持たないままキノコを採取し、毒キノコの誤食による食中毒があとを断ちません。本県では、昭和31年から平成7年にかけて44件のキノコによる食中毒が発生しています。原因となったキノコの種類の中では、ツキヨタケを誤食しての事件が22件(50%)と多く発生しています。また、死者の出た事件は昭和63年の上宝村、平成3年の瑞浪市の2件起きています。
このコーナーでは、主な毒キノコと実際に起こった事件を紹介します。「キノコ狩り」をする上で重要なポイントですので参考にしてください。
1.毒キノコの特徴を知る。
日本に自生しているキノコは、約5,000種類存在すると確認されていますが、そのうち中毒を起こすキノコは約50種類程度にすぎません。まず誤食頻度の高いキノコの特徴を知ることが、キノコ中毒から身を守る上で重要です。 2.知らない、自信のないキノコは絶対に食べない。
キノコに関する知識不足、素人鑑別が中毒の要因となっていることは明らかです。知らないキノコを食べないのは当然であり、鑑別できないものを食べることは非常に危険です。 3.昔からの迷信は信じない。
- 縦に裂けるキノコは食べられる。
- 縦に裂ける毒キノコの例:
- クサウラベニタケ・カキジメジ・ニガクリタケなど多数
- 色の鮮明なものは毒で、おとなしい色のものは食べられる。
- おとなしい色の毒キノコの例:
- カキシメジ・クサウラベニタケはじめ多数。
- ナスと煮れば中毒は起こらない。
- ナスに解毒作用はありません。ナスと調理され食中毒となる例がよくあります。
- 塩漬けにすれば食べられる。
- ドクツルタケ・ツキヨタケなどには全く効果はありません。
- 虫に食われていれば食べられる。
- キノコを主食としている虫は、毒キノコも平気で食べています。
- 煮汁の中に銀サジを入れて黒変するものは食べられない。
- 銀サジを黒変させる毒キノコは1種類もありません。
- 油で炒めれば食べられる。
- 例えばツキヨタケは油で炒めると、毒成分がよく溶けだし、逆に症状が重くなります。
- 乾燥すれば食べられる。
- カキシメジとドクツルタケを乾燥させて食べ、中毒になった事例があります。