イッポンシメジ/クサウラベニタケ
  • イッポンシメジ(写真左):傘の径は7〜12cm、形状は幼菌は卵形、成菌では丸山形から偏平、表面は白色・中央部が黄色である。柄は白色のツバとはっきりしたツボがある。
  • クサウラベニタケ(写真右):傘は幼菌では丸山形で、成長すると偏平となり、径は3〜8cm、黄色がかったネズミ色で滑らかである。
●発生場所と季節

 秋、広葉樹林内に発生。

●見分け方

クサウラベニタケ(毒) ウラベニホテイシメジ(食) ホンシメジ(食)
細くやわらかい 太くて強い 太い(徳利状)
ヒダ 肉色 肉色 白〜クリーム色

●食中毒事例

原因食品  イッポンシメジ
発生年月日 昭和63年10月26日
発生場所  吉城郡神岡町
摂食者数  3人
患者数   3人(うち入院1人)
●概要(事件のあらまし)

 10月23日の朝、吉城郡神岡町のCさんの夫が、神岡町内の山田ダム付近の山林でキノコを採取した。Cさんら3人家族は、同日18時頃、夕食のすまし汁にキノコを入れて食べたところ、19時45分頃から家族全員が嘔吐・下痢などの食中毒の症状を起こした。Cさんは持病の貧血と重なり入院したが、夫と長女は軽症であったため、病院で受診しなかった。残食のすまし汁の中に入っていたキノコを保健所で調査したところ、その中から2本のイッポンシメジが発見された

●原因(事件が起こった理由)

 Cさんの夫の素人鑑別が要因であったと思われるが、イッポンシメジは、地味で一見無毒のように思われ、また柄が縦に裂けることから、昔から伝承されている誤った鑑別法により食用キノコと誤認されやすいので要注意。

類似キノコ

食用 ウラベニホテイシメジ

食用 ホンシメジ