カキシメジ
 傘の径は5〜8cm、栗褐色で粘性がある。肉・ヒダは白いが、成長すると茶褐色のシミができる。柄は傘と同色かやや白く、縦によく裂け、根元でややふくらむ。
●発生場所と季節

 夏から秋に、広葉樹林地上で発生する。

●見分け方

カキシメジ(毒) ホンシメジ(食) ヒメサクラシメジ(食)
傘の色 栗褐色 ねずみ色の淡褐色 暗赤褐色
根元でややふくらむ 根元で急にふとくなる ふくらみはない

●食中毒事例

原因食品  カキシメジ
発生年月日 昭和63年10月26日
発生場所  恵那郡坂下町
摂食者数  5人
患者数   5人(うち入院3人)
●概要(事件のあらまし)

 10月25日の昼、Dさんが恵那郡坂下町の山林でキノコ(カキシメジ)を採取した。翌26日12時30分頃、Dさんは同僚4人と共に昼食として味ご飯と卵とじの吸物にキノコを入れて食べた。同日13時頃から、食べた5人のうち3人が嘔吐・下痢などの食中毒の症状となり、病院に入院した。残っていた卵とじの吸物があったため、その中のキノコを保健所で調査したところ、その特徴よりカキシメジであると鑑別された。

●原因(事件が起こった理由)

 キノコ採取者はヒメサクラシメジ(地方名オテツ)と誤認し、カキシメジを採取した。

【ヒメサクラシメジの特徴】

 傘の径2〜5cmの小形〜中形菌で、ほとんど全体が暗赤褐色を呈する。秋に主としてモミ属の樹下に発生する。
類似キノコ

食用 ヒメサクラシメジ

食用 ホンシメジ