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花の季節がやってきた
 四月、中津川は色とりどりの花が咲き始めます。上旬、四ツ目川や本町公園の桜並木から始まる中津川の桜前線は、北へ、山の頂へと移ります。
 四ツ目川の桜並木は、中津川市街地から恵那山に向かってピンク色の花の道を作ります。桜の花びらが四つ目川にはらはらと散る頃、苗木城址にほど近い桜公園が満開を迎えます。現在も植林中のソメイヨシノは約千本。満開の頃には、遠くに望む恵那山がまるで桜の海の上に浮いているように見えます。
 太古よりそのままの姿を見せるシデコブシ。国内では木曽川流域にのみ自生する植物で、中津川市内にも多くの自生地があります。白から薄いピンク色の清楚なシデコブシ。坂本地区の自生地は、地域の人々によって大切に守られています。
 ソメイヨシノが終わる頃、山の中腹あたりをヤマザクラが彩りはじめます。高地に咲くために花の時期が長く、ゴールデンウィーク頃まで山を薄いピンク色に染めています。





朴葉寿司は初夏の味
 五月、朴の木はたくさんの葉を茂らせ、葉はぐんぐんと大きくなります。朴の木は大木が多く、葉も20〜40センチにまで成長します。そして、枝先に大きな花を咲かせます。つややかな天空に咲花は甘い香りを放ちますが、風車状に茂る大きな葉の中に咲くために、なかなか姿を見ることができません。
 中津川の五月の味をいえば、朴葉寿司。端午の節句に、各家庭の味として伝えられてきた郷土料理です。朴の葉の上に酢飯をのせ、甘酢でしめたマス、シイタケ、やフキなど甘辛く煮た山の幸を彩りよく盛りつけて包みます。しばらくすると具に朴葉のさわやかな香りがうつります。





清流で渓流釣り体験
 中津川市内には、美しい川がたくさんあります。特に市内を縦断する付知川は「青川」と呼ばれ、清らかな流れの川として有名です。きれいな川で育ったきれいな鮎は評判で、アユ釣り解禁とともに、県内外から多くの釣り人が訪れます。
 「香魚」と言う美しい異名をもつ鮎は、そのとても優美な姿とは対照的に気性が荒く、なわばり意識が強いことで知られています。友釣りは、鮎との心理戦が楽しめるダイナミックなつり方です。
●中津川市内の河川で釣りをする場合は、恵那漁業協同組合までお問い合わせ下さい。




アウトドアで自然を満喫しよう
 豊かな自然に囲まれる中津川市は、アウトドア体験ゾーンの宝庫です。本格的な夏山を体験するのなら、恵那山登山。深田久弥の「日本百名山」のひとつにもあげられる秀峰として、多くの登山家に愛されています。ハイキング感覚なら、富士見台。山頂からは、中津川のまちと信州の美しい山並みが一望にできます。七月初旬には一面のササの中からひょっこりと顔をのぞかせるササユリやオトギリソウ、ヤマハハコなどの高山植物に出会えます。
 アウトドアといえばやっぱりキャンプ。野趣あふれるキャンプ場、オートキャンプ、家族連れ向きのバンガロータイプや高原ライフを楽しめるキャンプ場など、バリエーションも豊かです。





夏は花火と奇祭
 中津川の夏は、花火と奇祭で盛り上がります。花火大会は各地区で行われますが、その中で最も盛大な花火大会は「中津川おいでん祭 納涼花火大会」。約二千発の花火が中津川の夜空を焦がします。
 今や中津川を代表する風流踊りは、旧苗木藩遠山家の土蔵から見つかった絵図をもとに再現されました。
 奇祭と言えば、加子母のなめくじ祭り。いつの頃からか、旧暦の7月9日になると必ず文覚上人の墓石になめくじが這い上がるようになりました。この日にお参りをすると、9万9千日分のお参りをしたのと同じご利益があると言われています。





栗の季節がやってきた
 九月、中津川市内の和菓子店は、早朝から栗を蒸すための蒸気がもうもうと立ち上ります。栗きんとんで有名な中津川市は、県内でも有数な栗の産地。農家による徹底した栽培管理と夏の光を浴びて、ぐんぐん育った栗。九月になるとたわわに実ったイガが割れ、つややかな栗が顔をのぞかせます。
 京都、金沢に並ぶ和菓子処の中津川。菓子職人たちは、それぞれの店の味を守るために、ちょっとした気温や湿度の変化にさえ敏感です。ひとつひとつ心を込めて作られる、素朴な栗菓子たち。いろいろな菓子店の栗きんとんや栗菓子を、食べ比べてみるのもいいですね。




秋の中山道を歩こう
 秋、中山道を歩く人の姿を見かけるようになります。今も江戸の香りが至る所に残ります。宿場の入り口の桝形、卯建のある町並み、石畳、道祖神や道しるべ・・・歩かなければ気がつかない、小さな歴史に出会えます。
 十月下旬、「中山道三宿まつり」が行われます。メインは、中津川宿から馬籠宿までの約15キロメートルの距離を歩きながら、古の旅人気分が体験できるウォーキングイベント。中津川宿や落合宿では物産市や、各種イベントも開かれます。馬籠宿では「ごへーまつり」も同時開催。秋のさわやかな日射しのもと、一日たっぷりと中山道を楽しんでみませんか?





絶景。中津川の紅葉めぐり
 豊かな自然に包まれる中津川には、たくさんの紅葉の絶景ポイントがあります。根ノ上高原から望む恵那山はゆったりと美しい稜線を描き、日が西に傾く頃には恵那山全体が赤く輝きます。神坂大桧駐車場から見上げる富士見台は、まるで錦の織物を広げたような華やかさ。夕森公園では遊歩道を利用した紅葉狩りを体験。岐阜県の名水五十選に数えられる、付知峡の水と紅葉がつくり出す景色はまさに圧巻。国道19号線の山口付近は、紅葉のトンネルになります。夕日の絶景ポイントは、新茶屋展望台から望む中津川で、沈む夕日に照らされる木曽川を眺めていると時間を忘れてしまいそうです。





地芝居を見に行こう
 今からおよそ400年前に発祥した歌舞伎は、大都市から地方へと巡業し、次第にその土地に住む素人たちによって演じられるようになっていきます。これを「地芝居」といいます。
 中津川市は、肥沃な大地の恵みに、住む人々の心もとても豊かでした。その中で培われていった地芝居は今も継承され、中津川市内に6団体の歌舞伎保存会があります。全国的にも珍しく地芝居が盛んな地域で、それぞれの地域にある芝居小屋や公民館で定期公演を行うだけではなく、毎年十二月に東美濃ふれあいセンター歌舞伎ホールで「東濃歌舞伎大会」が開催されています。




新種の季節がやってきた
 中津川には、6軒の蔵元があります。恵那山に降り積もった雪は、長い年月をかけてミネラル分たっぷりの涌き水になります。肥沃な大地は、おいしい米を作ります。夏と冬、昼と夜の寒暖の差が激しいという気候も、おいしい酒造りの条件の一つ。そして蔵人たちは水と米に酒の魂を吹き込みます。
 酒蔵に並ぶタンクの中で、酵母は生きています。歌うように、踊るように、そして眠るように「酒」になる日を待ちます。
 新酒ができ上がると、蔵元の軒下に「酒林」が吊るされます。一月、中津川の澄み渡った空に、真新しい酒林が揺れています。




根の上高原で楽しもう
 寒いことを「凍(し)みる」と言います。この言葉は、空気までもが凍りつくような中津川の寒さをとてもよく表現しています。
 「根の上高原 雪と氷の観遊会」は、毎年二月に行われる中津川の冬の代表的なイベントです。一ヶ月前から作り始める氷のモンスターは、このイベントの目玉の一つ。雨、雪、風の状態でモンスターの形が変わる、人と自然がつくり出すオブジェです。夜間はライトアップされ、幻想的な冬の夜の高原を彩ります。イベント当日は、雪上トレッキング、雪のシークレットイベントなど、雪と氷、そして冬の寒さも一緒に楽しめるイベントです。




中津川の春の銘菓からすみ
 「からすみ」は桃の節句には欠かせないお菓子です。からすみといえばボラの卵の珍味を言いますが、なぜ中津川では、米粉で作ったお菓子をからすみと呼ぶのでしょう。
 必ず一対で加工される珍味のからすみは、「夫婦円満」「子孫繁栄」の縁起物とされてきました。お菓子のからすみの名の由来は諸説ありますが、縁起物で高価なからすみに似せて米粉で作ったというのが有力な説です。いつの頃からか富士の形の木型ができ、今のからすみになりました。日本一幸せになるように・・・。からすみはわが子の成長と幸せの願いがこもったお菓子なのです。

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発行:岐阜県中津川市