ふるさときのこ考
はじめに
茸採り
茸事情今昔
松茸1
松茸2
端松(マツタケモドキ)
しめじ
きしめじ
霜降りしめじ
いぼこごり(センボンシメジ)
いくち1(アミタケ)
いくち2
老茸(クロカワ)
芝持ち1(アブラシメジ)
芝持ち2
権助1(ショウゲンジダケ)
権助2
舞茸1(マイタケ)
舞茸2
柴舞茸(カラスタケ)
赤茸(サクラシメジ)
香茸(革茸)1
香茸(革茸)2
そな1(ホウキタケ)
そな2
栗茸(クリタケ)
青老茸(アオロウジ)
初茸(ハツタケ)
スギヒラタケ
平茸(ヒラタケ)
白舞茸(ニンギョウタケ)
ぬめりいくち(ヌメリイグチ)
ウラベニホテイシメジ
岩茸1
岩茸2
せいたかいくち
ほこり茸(ホコリタケ)
木耳(大水母)(キクラゲ)
椎茸1(シイタケ)
椎茸2
エノキ茸(エノキ)
滑茸(ナメコ)
エリンジ(エリギイ)
マッシュルーム
毒茸
 ツキヨタケ
 一本シメジ
 ベニテングダケ
 ニガクリタケ
 クラウラベニタケ
 コテングタケ
 毒性そな(ホウキタケ)
 カキシメジ
薬効茸
 冬虫夏草(とうちゅうかそう)
 霊芝(マンネンタケ)
むすびの言葉
きのこウォッチングへ
はじめに

“木の子”とは古人の優しい命名である。『茸は動物でも植物でもなく、第三の菌類である』と書かれると、何となくよそよそしくてイメージが違う。やっぱり“木の子供”と見た方が、情緒的でより楽しい。茸は知識より感性の方がよく似合う生物である。  木の子と親しみ、その採集を遊びとして古来より文学にも多用されてゐるのも、茸の一面であらう。
 日本書紀の「わが古里の名物は栗茸なり」から始まり、時代々々に詩歌、俳諧、文学に登場し日本の文化の一端を担ってゐる。  加えて、最近のグルメの中で茸の食味と薬効が見直され、一種のブームを呼んでゐる。特に都会人にとって地方の雑茸には深い関心が寄せられてゐる。そこで恵那食品 衛生協会創立35周年を期して、当地方で用いられてゐる茸について、料理と伝承と習慣などを基盤に、茸の本を作成するはこびとなった。  予め当協会の全会員からアンケートをいただき、家庭ではどんな茸を食べてゐるか、又営業上に使用してゐるか、その茸の料理は何が多いか、更にエピソードなどを聴取して、その中から多いものを取り上げてみた。  料理については、家庭料理と営業料理を併記し、バランスを考慮した。
きのこ  又毎年発生する毒茸中毒に心痛し、間違い易い毒茸を列挙し、参考に共した。
 この拙文の中から茸を再確認し、食材としての付加価値が少しでも向上し、若し飲食営業上、又家庭の食膳の楽しみに於て、一片のお役に立てば、望外の喜びである。 平成八年三月
恵那食品衛生協会